1.貧血検査:赤血球数、血色素量
赤血球は、肺から取り込んだ酸素を全身に運ぶ役割をしている細胞です。その中に含まれる血色素(ヘモグロビンとも言います。)が酸素運搬の担い手であり、この二項目を測ることで、貧血の有無とともに、そのタイプをある程度推定できます。貧血になると疲れやすく、少しの運動でも息切れや動悸がしたりします。貧血で最も頻度の高いものは鉄欠乏性貧血で、若年から中年の女性によく見られます。時に胃腸からの出血や、女性では子宮筋腫に基づくこともありますので、精査が必要です。
2.肝機能検査@:GOT(AST)、GPT(ALT)
この2項目は、合わせてトランスアミナーゼと呼ばれ、アミノ酸代謝に関わる酵素蛋白です。最近は、それぞれAST、ALTとも表示されます。主に肝障害の程度、即ち、肝細胞がどの程度壊れているかを示すものです。B型やC型肝炎ウイルスによる慢性肝炎や、アルコールによる肝障害等で上昇しますし、また肥満による脂肪肝でも軽度上昇します。GOT・GPTのどちらが高いかによって病状をある程度推測できますが、これのみでは肝障害の原因は解りません。GOTは筋肉や心筋などの障害でも上昇することがあります。
3.肝機能検査A:γGTP(ガンマGTP)
日本人の9割の人では、飲酒量に伴って上昇します。アルコールによる上昇は、この酵素蛋白の肝臓における合成が高まることによるもので、肝細胞の障害を直接的に表すものではありません。しかし多量の飲酒ではたいてい肝細胞障害が生じ、GOT・GPTも上昇してきます。またγGTPは胆汁の流れが妨げられた時にも上昇します(胆汁うっ滞と言います)。
4.血中脂質検査@:総コレステロール、HDLコレステロール
コレステロールは脂質(脂肪)の一種で、細胞膜の重要な成分であるとともに、ある種のホルモンや胆汁酸の原料にもなります。卵黄や動物性脂肪などの食物から入るのに加え、体の中でも大量に合成されています。通常、血中コレステロールが高くても自覚症状は出ませんが、全身に血液を運ぶ動脈の壁が狭くまた硬くなる動脈硬化をきたしやすくなります。また動脈硬化は命に関わる重大な病気である心筋梗塞や脳卒中の元になります。このためコレステロールが高い場合は、早期から食事療法(コレステロールを多く含む食物を控える)に取り組み、また低下が不十分な際は、薬内服を行います。
一方、他の病気から二次的にコレステロールが上昇することもあります。代表的なものは、甲状腺機能低下症やネフローゼ症候群(腎臓の病気)などです。
HDLコレステロール(高比重リポ蛋白コレステロール):油であるコレステロールや中性脂肪は、ある種の蛋白質に結合することで、血液中に溶けて存在しています。この結合した物を一般にリポ蛋白と言い、比重(重さ)の違いから5種に分類しています。このうち一番比重が高いものをHDLと言い、この中に含まれているコレステロールをHDLコレステロールと呼びます。HDLは全身の末梢の血管にある余分なコレステロールを取り除き、代謝臓器である肝臓に運ぶ役割をしています。このため、このコレステロールはある程度高いほうが動脈硬化の防止になるので、“善玉” コレステロールとも呼ばれています。一方、動脈硬化を促進する本体はLDLコレステロールと言われ、別名、“悪玉” コレステロールと呼ばれます。
5.血中脂質検査A:中性脂肪
中性脂肪は体の中で最も多い脂肪であり、貯蔵脂肪として皮下などに分布しています。食物中の脂肪以外に、体内では余った糖分からも合成されます。血液中のこの値は食事に伴って上下し、またカロリーの取り過ぎやアルコールによって上昇します。肥満や運動不足でも上がる傾向がありますので、高い場合には、それら生活習慣の改善が大切です。
6.血糖検査@
血糖値は食事の影響を受けて上下するため、朝空腹時の値と食後の値では評価基準が異なります。基準値より高い場合は、糖尿病またはそれに近い状態(耐糖能異常または境界型と呼ばれています。)を疑います。糖尿病は遺伝的な要因も関与しますが、カロリー過多や運動不足による肥満の人に出現しやすく、境界型の人では、食生活改善や肥満の解消をしないと、将来、糖尿病に進む危険性があります。糖尿病では、腎臓や目の奥の網膜、神経などの細い血管が障害され、放置すると腎不全や失明に至ります。また太い血管の動脈硬化も進行しやすいことから、早期の発見と治療を要します。
7.血糖検査A:ヘモグロビン(Hb)A1c
血糖検査におけるHbA1cの測定は、血色素(ヘモグロビン)蛋白の一つ:HbAに血糖が結合することを応用しているものです。即ち血糖値が高い程、結合量が多くなりHbA1cは高くなります。この量(%)は約1〜2ヶ月間の血糖値の平均を示しており、時々刻々変化する血糖値に比べ、長期的な経過を見る上で有用です。
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